酒と鮓 梅軒(バイケン)

武蔵小山の鮓(すし)割烹と日本酒の店です【住所】目黒区目黒本町5-16-3☎03-5708-5542 水曜定休

宮城 萩の鶴 裏ブレンド

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宮城県栗原市の萩野酒造「萩の鶴 裏ブレンド」です。

まず裏ブレンドってなんじゃい?

この裏ブレンドとは、普段製品にする日本酒を造っている工程で、どうしても製品としてビン詰めするには半端な量の物ができてしまいます。それを一挙に集め、バランス良くブレンドしたものがこれです。命名は蔵人の佐藤曜平くんが思いついてつけた名でしょう(笑)

その曜平くんに問い合わせたところ、この酒の中身は「香り系の純吟+純米+特別純米+吟醸」だそうです。

実際この酒の裏張りの表示は米の磨き65%となってますが、これも平均値だと思われます。

 「なんだよ、余り物の寄せ集めかよ」と思う方もいるかとは思いますが、僕個人的には面白い企画だと思います。日本酒の世界では大々的にブレンドとはうたってないけど、普通にみんなやってます。ただし、下にランクの酒に混ぜるのが普通。例えば純吟の残りは純米や本醸造に混ぜるなど。

だけど、これをちゃんとブレンドしましたって言う萩野酒造さんの試験的な試みが好きです。だって洋酒の世界ではブレンドなんて当たり前なので。

 

こういう試みがなにか日本酒の新しい切り口になってくれたら嬉しく思います。今後、あの蔵の酒とこの蔵の酒をちゃんとブレンドして販売なんてこともあるかもしれません(萩の鶴+伯楽星=萩楽星とか(笑))

 

ちなみに曜平くんとこはこの他にも「メガネ専用」なる日本酒も造ってます。奇跡的に蔵人全員がメガネをかけてるそうで(笑)

ふざけてるようですが(実際ふざけてますが)、真剣にふざけてるので酒質は折り紙つきです。

こういう酒があると呑み会のときに楽しいですよね。

 

最後に萩野酒造さんのHPから抜粋した文章ですが…

「私たちの考える理想の酒は、外行きではない普段着のような感覚で、肩肘張らず気軽に楽しめる酒です。高級料理店でワイングラスと共に楽しむ日本酒も魅力的ですが、普段は無造作に茶碗に注いで飲むような日本酒の方が性に合っています。例えるならば、たまに着るよそ行きのドレスよりも、毎日着られて心地のいい、カジュアルでありながらも上質なTシャツのような酒を醸したいと考えております。」

ものすごいカッコイイ言葉だと思います!

 

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京都 澤屋まつもと 守破離

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京都・伏見「澤屋まつもと 守破離です。

杜氏松本日出彦くんが醸すこのお酒は、価格も超お手頃なのですが、味も超一級品なんです。

火入れの酒ながら、少し炭酸ガスのようなチリッとした酸味を残しフレッシュ感を出し、香りも派手すぎず穏やか、味は柔らかで丸みがあり、呑み飽きもしない!完璧なまでに見事な食中酒に仕上がっています。特に和食との相性は抜群です。

 

この守破離(しゅはり)とは、武道や茶道、芸術の分野で、先人に言われたことを「守る」修行から始まり、その後、そのことを自分の力量と照らし合わせて、より自分に合った、より良いと思われるものをつくることで今までの形を「破る」。最後には先人の言われたこと、自分自身が造り出した形からも「離れて」オリジナルのものを造れるようになること…だそうです。難しい言葉ですね。僕もこの酒で初めて知った言葉です。

 

松本くんは愛知醸し人九平次」さんで修行してました。守破離の名の通り、基本がきっちりと出来上がっていて、さらに九平次さんの酒とはまた違った松本くんのオリジナルの酒の味に仕上がっています。

和食とホント良く合うし、お値段お手頃なので、宅呑み用にもいいですよ。

ちなみにウチの宅呑み用に僕もよく買ってます(笑)

 

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鮎の握り鮓

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今日から大分県三隈川では鮎漁が解禁になりました。

関東近辺では6/1が多いんじゃないでしょうか。

僕の生まれは神奈川県の小田原なので近くに鮎の有名な酒匂川があり、ガキの頃はよく学校サボって6/1は鮎釣りに行ってました(笑)

 鮎はやっぱり塩焼きが一番ですが、握りにしてみました。今回の鮎は琵琶湖産です。

薄塩したのちレモン酢で軽く〆、蓼の葉と胡瓜のスライスをのせてます。

鮎の持つ爽やかな香りと蓼のピリッとした辛味とほろ苦みに胡瓜の青い香りが合わさって、初夏を感じる握りになってます。

この鮎には欠かせない蓼(たで)の葉ですが、ことわざの「蓼喰う虫も好きずき」(「あんな辛くて青臭い蓼でも食べる虫がいる」ということから「好きずきは人それぞれ」といった意味)のあの蓼です。

ホントに好きずきが出るこの蓼ですが、慣れるとこれの無い鮎の塩焼きなんて~と思えるくらいに良い相性なんです。東南アジア料理でいうところのパクチーに似た感じでしょうか。

6月くらいになって漁が安定してくれば、ウチにも天然の三隈川の鮎がやってきます。天然鮎の塩焼きは香りが絶品ですので、是非召し上がってみてください。

ちなみに川魚は寄生虫の危険がありますので、そのあたりの処理はしっかりやってますのでご安心を。

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山形 米鶴 鶴翔

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山形は米鶴酒造の「米鶴 鶴翔」です。

鶴翔(かくほう)と読みます。山形の酒米である出羽燦々を使った純米大吟の山廃仕込みです。昔ながらの造りの山廃のどっしりとした味わいにスッキリとした酸味があってぬる燗つけても美味しいお酒です。素朴で純朴な飽きのこない味で、梅津社長の人柄の良くでた酒です(笑)

 

米鶴酒造さんは蔵王の麓あたりにあり、近くには高畠ワイナリーなんて有名処もあります。

僕も何度か蔵にお邪魔しましたが、まわりは田んぼだらけって感じですよ(笑)冬場の雪も結構すごい地域みたいですし。

現在は梅津陽一郎社長が12代目だそうで、歴史としては300年くらい続いているそうです。ひとつのことを300年もつないでいくって凄いことですね。

 

米鶴さんではいろんなイベントをやっていて、4月の蔵開きから始まり、5月の田植えや9月の米の収穫、そして2月には仕込み体験などもやられています。

もちろん蔵見学もやってます。ここまでいろんなイベントをお客さん交えてやってる所は少ないのでご興味ある方は是非。

↓こちらの蔵のHPから見れますよ

米鶴酒造|山形の日本酒/焼酎/地酒〜山形県高畠町の蔵元「酒は正直なものですよ」

 

今年の沖縄の酒の会「ウチナ~の酒パー」にも梅津社長が直々に来てくださいます!

 

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高知 ミレービスケットのアイス

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高知ではどこでも見かけるビスケット「ミレービスケット」のアイスが最近コンビニで売っているので買ってみました。

蓋を開けると、なかなか予想の斜め上をいくビジュアル(笑)

ミレーのビスケットが2枚ドンと乗ってまして、シンプルな味のアイスの中には砕いたビスケットが入ってます。

ミレーのビスケット自体は香ばしい揚げビスケットで、食べたらやみつきになる味ですよ。最近は東京でも見かけるので、食べたことない方は是非食べてみたらイイですよ。

 

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秋田 一白水成 純吟 酒未来

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秋田の一白水成の純吟酒未来です。

一白水成の名の由来は「い米とから番うまい酒」という思いを込めて名付けた酒だそうです。地元秋田では「福禄寿」という銘柄で出しているのがメジャーです。

 

そしてこの純吟は米に「酒未来」という米を使っています。

酒未来とはあの山形の十四代の蔵元で今から20年ほど前に開発した酒造好適米で、十四代以外にも、十四代と仲のいい若手の蔵元たちに配布され世に出ています。

この酒未来を使っている蔵は一白水成の他に「東洋美人」「宝剣」「三井の寿」「山形正宗」「写樂」「而今などなど、若手実力派のメンバー。

 

一白水成のこの酒の味は、スッキリとした酸味と穏やかな香り、そしてキリリとキレのある味わい。食中酒に向いてます。

かなり生産量の少ない酒なので、この機会に是非どうぞ。

 

今回、沖縄での酒の会「ウチナ~の酒パー」に社長の渡邉康衛くんが今年も参加してくれますよ。酒未来は来沖するかな~。

 

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滋賀 松の司 純米

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二回目の登場ですが、滋賀の松の司の社長松瀬さんがご来店くださいました。

この芥子色の渋いラベルの純米酒、地元の契約農家さんで作った米を使っていて、

冷でも良し燗でも良しのバランスの良い食中酒です。

 

余談ですが、松瀬社長とも話していたのですが、最近「冷おろし」の出荷時期が早すぎじゃないかということ(あくまで僕個人の感想ですが)

 

冷おろしとは…簡単に言ってしまえば、春にできた新酒を火入れ(殺菌)し、涼しい蔵の中で夏を越して味わいが丸くなったもののこと。二日目のカレー的な感じです。秋口に出荷するので「秋上がり」などとも呼ばれます。

 

その冷おろしを8月中に出す蔵元さんが増えてしまい、飲食店の現場でお客様に冷おろしの説明が伝えつらく、「8月に出てるのに秋上がりって?」的な感じになってしまいます。せっかくの日本の文化「日本酒」なので、「冷おろしは秋分の日に出荷」などもっと風情があっても良いんじゃないでしょうか?

 

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