酒と鮓 梅軒(バイケン)

武蔵小山の鮓(すし)割烹と日本酒の店です【住所】目黒区目黒本町5-16-3☎03-5708-5542 水曜定休

喜知次(キチジ・キンキ)&無水湯引き

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最近ではすっかり高級魚になってしまった喜知次です。キンキの通り名のがメジャーですかね。地方によってはキンキンメンメなんて呼び方もします。

脂ののってる白身の魚で煮付や塩焼が絶品ですが、鮮度のいいものは刺身でもいけます。これから冬にむけて旬を迎え、有名な産地では北海道の羅臼の釣り物がいいですね。

 

 

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生のままでもいいのですが、キンキやのど黒などの脂ののった底魚は軽く火を通して握ったもうが旨味が出ます。その時バーナーなどで炙ってもよいのですが、ウチでは無水湯引きをしています。熱湯を入れたバットにラップを張り、その上に切り身を置いて片面(皮目の方)だけ軽く火を入れます(写真)

こうすることでお湯にくぐらせない分、水っぽくもならないし、両面火が通ることもなく、皮目の方だけ火を入れると脂も浮いてくるので甘みもでます。半分は生のままなので刺身の良さも残ります。

  

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無水湯引きのキンキの握りです。

脂が表面に出て、温かいので甘み旨味がほわっと薫る握りです。食感もよく、絶品のお鮓です。のど黒も同じようにやりますが、これもまた旨いっす!

 

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鰯(イワシ)

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ご存知、鰯(イワシ)です。一口に鰯といってもマイワシ・ウルメイワシ・カタクチイワシの3種類がいます。よく刺身などで食べるのは上の写真のマイワシ。ウルメイワシやカタクチイワシは丸干しや煮干しなどに使われることが多いです。しらすは鰯の稚魚のことでほとんどがカタクチイワシとマイワシの稚魚です。入梅いわしとも言われ6月頃から初冬あたりまで美味しいです。近年不漁でものすごい高値の時期もありましたが、今年は当たり年ですね。バリバリの脂のノリで、トロのようなくちどけです。

 

 

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(↑魚別、骨の入り方)

非常に小骨の多い魚です。上の図のように真ん中の血合骨の上下にも骨が入っています。鮭やサーモンも2列の骨がありますがやや太いので取りやすいのですが、イワシやニシンの骨は3列あり、しかも細くてYの字型をしていたりして骨が抜きにくい(身が崩れやすい)魚のひとつです。逆に白身の魚(鯛や鮃など)は身の途中までしか血合骨がありません。この骨の数の違いは身の柔らかさなどに関係しているのだと思います。身のしっかりとしているフグなどは血合骨がありません。

 

昔から庶民に親しまれてきたイワシは、いろんな諺や風習などにも絡んでいます。

鯛の尾よりも鰯の頭→大きい団体で人の後に従うよりは、小さな団体でもそのかしらとなるほうがよいということ

などや、節分の日には鰯の頭と柊の葉を玄関に飾るのは、鬼が鰯の臭いが嫌いで柊の葉はチクチクして痛いから家に入ってこないという風習があり、そのことから

鰯の頭も信心から→つまらないものでも、信仰の対象となれば有り難いと思われるようになる

という諺になったそうです。

 

日本に限らず世界中でもオイルサーディンやアンチョビなどイワシ料理は盛んです。

今年のイワシはホントに脂がのってて美味しいので、シンプルに塩焼にしても晩のおかずに最高ですよ。

 

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カマス

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カマスです。漢字で書くと。大きな口で小魚を食べる獰猛な魚です。

一口にカマスといってもその種類は多数いますが、代表的なものは上の写真のアカカマスと、よく似たアオカマス(ヤマトカマス)の2種です。

アカカマスは鱗が大きめで体色は少し赤みがかった色をしています。アオカマスは鱗は小さく、色も青みがかっています。アカカマスに比べ、アオカマスは水っぽいのでミズカマスとも呼ばれ、カマスの干物はこれを使ったものが多いです。

 

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旬は秋からが脂がのって美味しくなります。刺身も美味しいですが、塩焼も絶品です。ただ骨が硬く鋭いので、食べるときには注意が必要です。

サッと皮目を炙った握りでどうぞ。

 

余談ですが、カマスの語源は農作業で使う叺(カマス)という大きな袋からきているそうです。その大きな口で小魚を食べる様が似ているとなったんだとか。

 

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黒鯛(クロダイ・チヌ)

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黒鯛(クロダイです。別名「チヌ」とも呼ばれてます。

雑食性で海老、蟹、貝などもその硬い歯でバリバリと食べ、スイカやトウモロコシなども食べます。河口から防波堤、磯、船などどこでもいて、なんでも食べ、そして引きもいいのでので釣りの対象魚として人気があります。僕もチヌ釣りしたことありますが、小さくでもグングン引きがいいので楽しいです。

旬は夏とよく言われますが、僕は秋~冬のが好きです。春に産卵をむかえるので、夏はまだ痩せているものが多いのと、雑食性のため夏場は磯臭いものが多いですね。ただ食べているものによって味がずいぶん違うので産地による味の差は大きいと思われます。

 

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身は白身で真鯛よりも血合の色は赤いです。さっきも言った通り、冬場のが美味しいのですが極端に漁獲量が減りますね。真鯛ほど上品な味ではないですが、ジビエのような野性味のある力強い味です。

香川県ではこの黒鯛を豪快に炊き込んだ漁師飯があるそうです。瀬戸内あたりの黒鯛は美味しいでしょうね~。

 

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イベント「食べ歩かない」お席の空きが出ました!

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11/18(土)18:00~の月一恒例イベント「日本全国食べ歩かない」の第五歩目「栃木県 開華」さんの会にお席の空きが出ました!

3名様までですが、よろしければ是非!早い者勝ちです。

会の詳細は前回の告知ブログをご覧ください。

栃木の郷土料理しもつかれや佐野の下町グルメの「いもフライ」もお出しする予定ですよ。

 

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半熟舞茸玉子

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すっかり秋ですね~。今日から登場の半熟舞茸玉子です。

以前やっていた店からの僕のスペシャリテの料理です。フレンチのトリュフ玉子にヒントを得て作りました。前のお店からのお客様には「あれ食べたいんだけど、作らないの?」とよく言われるのですが、この時期、秋のみ作ります。

 

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半熟の白身と、トロっとした黄身、そして舞茸のペーストのいい香りが合わさるとパンチのある濃厚な味わいになります。

 

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ちょっと見た目はあれですが、下から少し混ぜて食べるのが美味しいです。

これをとトーストに塗って食べても美味しいんです。店ではやりませんが(笑)

とりあえず今月中は献立にのせてまーす。

 

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星鰈(ホシガレイ)

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星鰈(ホシガレイ)という鰈の一種です。

あまり馴染みのない名前ですが、鰈の中では最高級品です。特に大きいものは値段も最高級です。鰈の中でも美味しいとされるマガレイやマコガレイなどよりも高値で取引されます。「幻のカレイ」なんて言われることもあります。

身はキメの細かい白身で上品な味わいです。マガレイがほうじ茶だとすると、マコガレイが緑茶、ホシガレイが玉露といった感じでしょうか。白身の鮓ネタではヒラメや真鯛よりも上という職人さんもいるほどです。漁獲量が少ないのであまり見かけることはないとは思います。代表的な産地は三陸方面が多いですね。

ホシガレイとよく似た魚でマツカワガレイという魚がいます。これも高値で取引されますが、マツカワもホシガレイも味は変わらないという方もいますが、僕は個人的にはホシガレイのが好きですね。いいマツカワに当たったことが無いだけかもしれませんが、どうもマツカワはホシガレイほどの上品さが無いような気がします。

ホシガレイはいつも河岸にあるという魚ではないので、もし飲食店さんで見かけたら是非食べてみてください。美味しいですよ。

 

追記:今日10月1日は「日本酒の日」です。僕の友人知人の蔵元さんたちも各地でイベントをやっております!今日は是非、日本酒で乾杯を!

 

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