年末年始の営業のお知らせ
あっという間に12月ですね。梅軒もおかげ様で1年たちました。ご来店くださった皆様ありがとうございます。
さて、年末年始の営業日のお知らせです。
12月29日(金)まで通常営業
12月31日(日)10:00~14:00 店頭にてご注文の「笹の葉鮓」の受渡し
1月1日(月)~1月5日(金)までお休み
1月6日(土)の夜より通常営業
になります。よろしくお願いいたします。
年明けの「日本全国食べ歩かない」の第6歩目ですが、1月と2月に計3回東京・三田の酒蔵「東京港醸造」さんの杜氏さんをお呼びして開催いたします。今回の料理は昔の江戸料理を再現してのフルコースになります。詳しくはまたブログにて告知いたしますが、ご興味ある方はお電話にてお問合せください。まだ若干お席に余裕がございます。
酒と鮓 梅軒
「日本全国食べ歩かない」第五歩 栃木県「開華」 其の二
前回からの続き「日本全国食べ歩かない」第5歩目「栃木県 開華」の酒の会です。
吸物 耳うどん(佐野市) 鶏肉 椎茸 人参 芹 洗葱 占地 平茸 山榎茸 柚子
開華の第一酒造さんのある栃木県佐野市の名物・耳うどんです。佐野ラーメンも有名ですが、この耳うどんは佐野市のお正月には欠かせない料理です。練った小麦粉を耳のような形にして茹で、野菜などと一緒に醤油味の出汁でいただきます。
この耳は悪い神様の耳なんだそうで、この耳を食べてしまえば家の話を悪い神様に聞かれることがなくなるから「一年間悪いことが起こらない=魔除け・厄除け」になるという新年の縁起物の料理なんです。
本来は正月に忙しいお母さんが少しでも楽をできるようにと、年末に茹でた耳うどんを水につけて保存しておき、それを食べる時に野菜と出汁と一緒に温めて食べるそうなんですが、それだと食感があまりにもベロっとしてしまうので今回はその場で茹であげてもちもち感を残しました。出汁は干椎茸の出汁と鰹出汁のブレンドに濃口醤油でしっかりと味付けしています。
割鮮 湯波(日光)三種盛 割醤油
栃木県日光といえば東照宮や中禅寺湖でも有名ですが、湯波も有名です。
引き上げ湯波、湯波クリーム、出来立て湯波の三種盛です。
ちなみに京都では湯葉、栃木では湯波と書くのが定番だそうです。
揚物 いもフライ(佐野市) ミツハフルーツソース マドロスソース
佐野市のご当地グルメといえば、子供にも大人気のこの「いもフライ」。茹でたじゃが芋を串に刺し、パン粉を付けて揚げ、ご当地ソースをかけて食べるのが定番。1本90円くらいなので、部活帰りの子供たちやら小腹の空いた人たちがよく買ってますね。結構腹持ちもいいですよ。
こちらがそのご当地ソース。ご当地ソースといえば広島のおたふくソースや神戸の泥ソースなんかが有名ですが、栃木ではこちらのソースがメジャーです。
左のミツハフルーツソースはかなりスパイシーでいてサラッとした味。右のマドロスソースは濃厚な甘みと旨味のある味。どちらも対照的で使い分けができそうです。今回入手できなかったものに月星ソースというのもあり、こちらは業務用でいもフライ専用のソースも販売しています。
肴 蒟蒻の甚五焼(那須塩原)
甚五焼とは元々、山の形にしたおにぎりを串に刺し、ジュウネ味噌を塗って炭火で焼いたものです。山の神様へのお供え物だったそうです。ジュウネ=えごまです。
今回は鹿沼産の地芋の蒟蒻にジュウネ味噌を塗り焼いた田楽風の酒の肴です。香ばしいえごま味噌で酒が進みます。
御飯物 鮎御飯(那珂川) 穂紫蘇
留椀 干瓢の玉子綴じ 三つ葉
香の物 柚子巻大根 干瓢梅酢漬
意外と知られていませんが、栃木を流れる那珂川は天然鮎の漁獲量が日本一なんです。鮎釣りのメッカとしてもよく知られています。その天然鮎を使った鮎御飯。香ばしく焼いた天然鮎を骨を抜いてよくほぐし、米と一緒に炊き込みます。鮎の出汁のよくしみたご飯は酒のアテにもなるほど香り良いです。
留椀で使う干瓢はもちろん栃木産の天日干し。干瓢の生産量日本一の栃木ならではのお吸い物です。シンプルな味付けで干瓢のしこしこした食感が味わえます。
香の物の柚子巻大根は甘酢に漬けた大根の薄切りで柚子の皮を巻いたもの。爽やかな柚子の香りが口直しにもってこいですな。
ピンク色した干瓢の梅酢漬はこれも栃木ならではのお漬物。梅干を漬けるときに出る梅酢で茹でた干瓢を漬けます。これも皆さん初めましての味のようで、干瓢と言われるまでなんだか分からない方が多かったですね。
開華さんの仕込み水も持ってきていただきました。中硬水のさらりと透明感のある美味しいお水です。
相良くん、お疲れ様でした。
今回の栃木は海なし県なので料理に少し苦労しましたが、なかなか面白いものができたと思います。山や里のものを使った歴史的背景のある料理が興味深かったですね。
さて、年内の「日本全国食べ歩かない」はここまで。
年明け1月は東京の酒蔵さんの予定です。郷土料理は昔の江戸料理を再現してみようと思ってますので、ご興味ある方は是非ご連絡ください。詳しい日程はまだ決まってませんので、また追ってこちらのブログにて告知いたします。
酒と鮓 梅軒
「日本全国食べ歩かない」第五歩 栃木県「開華」 其の一
昨日は年内最後の「日本全国食べ歩かない」の第5歩目「栃木県 開華」さんの会でした。栃木県といえば日光や鬼怒川、あしかがフラワーパークにツインリンクもてぎ…。食べ物なら宇都宮餃子に佐野ラーメンなどがメジャーでしょうか。
今回も観光パンフレットとともに旅気分を満喫してもらいます。
今回のラインナップは開華の純米大吟遠心分離・純吟ひやおろし遠心分離・純吟ひやおろし・純吟ひやおろし・純吟自社水田ひとごこち・特別純米生もと・純米の6種類。遠心分離で絞った酒はなかなかやっている蔵元さんが少ないので、皆さん興味津々でした。
今回開華の第一酒造さんから来てくれたのは相良くん。相良くんは元々、下高井戸の銘酒居酒屋「おふろ」さんで彼がバイトしていた大学生時代に会ってからの付き合いなので、かれこれ20年くらいでしょうか。今じゃすっかり蔵の人になってます(笑)
当時は若かったので、よく一緒に呑んではハチャメチャなことをしてました。お互いすっかりオッサンになりましたな。
さて、今回の栃木の郷土料理は…
食前酒 いかんべ割り 開華純米+レモン牛乳
勝手に命名したこの日本酒カクテル。いかんべとは栃木の方言で「いいでしょ!」的な言葉。ご当地ドリンクのレモン牛乳と割って、みんなで乾杯!
これがそのレモン牛乳。味のあるいいパッケージです。久しぶりに呑みましたが、「あれっ、こんなに甘かったっけ?」が素直な感想ですが、日本酒で割るとスッキリと呑めます。
牛乳と言ってますが、どちらかといえばピルクルやマミーに近い乳飲料です。しかもレモンとうたいつつ無果汁(笑)。どこか懐かしい駄菓子屋の味的な感じでクセになります。栃木のコンビニだったらだいたいどこでもでも売ってるので是非。
先付 いとこ煮 南瓜 小豆
とちおとめ 酒粕クリームがけ
いとこ煮は栃木に限らず地方の山間部に行くとたいていある郷土料理です。出汁に火の通りにくいものから「おいおい」入れていくので「おい=甥」とかけていとこ煮と呼ぶようになったそうです。少し醤油をきかせた甘めの味付けで。
とちおとめは栃木を代表するフルーツですね。今じゃ「福岡のあまおう」とシェアトップ争いが激しいことになってます。あまおうに比べとちおとめの方がフルーツらしい酸味があり、サッパリと食べられます。今回は酒粕を牛乳でのばしたクリームをかけて。酒粕の風味でコクがでて相性イイ感じですよ。
栃木県を代表する超微妙な料理といわれる「しもつかれ」
元々は旧暦の初午の日(2月下旬頃)にお稲荷さんにお参りする際に、何もお供え物がないのも申し訳ないと、冬場の限られた食材の中で作られた料理です。宮城県の郷土料理「あざら」とよく似た立ち位置の料理です。
本来は正月の残りの荒巻鮭の頭の部分と、節分の残りの煎り大豆と酒粕、人参、大根鬼卸などと一緒に炊き、味付けは荒巻鮭の塩分のみでした。現在は昔の荒巻鮭ほどガッチリと塩をしたものは少ないので、そこまで塩味がでません。なので今は作るときに塩を足して味付けします。さらにここに酢を入れる方も多いです。その酢を入れた味が他県の人間からすると超微妙と言われてしまう味付けなんです。特に地元のおばあちゃんが作るしもつかれの味はかなり攻めてます。酢の酸味+酒粕の香り+鮭の頭の若干の生臭さ=ヤバイ食い物の出来上がりです。栃木の年配の方は、このしもつかれ(冷たい状態のもの)を温かいご飯の上にのせて食べるのが最高とのこと。なかなか思いつかないトリッキーな組み合わせです。
なんかディスってる風ですが、そんなことはないんですよ。歴史的背景を感じる料理で素敵だと思っています。海のない栃木では昔は荒巻鮭なんかはすごい御馳走だったのだと思います。その食材を無駄にせず、お供え物にしようとした先人の知恵と、物を大事にする心が素晴らしいと思います。
今回は初めてしもつかれを食べる方もいるので、攻めたしもつかれにはせずに、かなりあっさり味に仕上げました。鮭の頭の代わりに桜鱒の身を焼いてほぐし、北海道産の鶴の子大豆の煎り大豆を水で戻して薄皮を向き、大根鬼卸と京人参、焼いた薄揚げとともに塩とかるく醤油、味醂、砂糖で味付けし酒粕でサッと炊きました。酢はほんの少しだけ入れてます。本場のしもつかれが好きな方には物足りないかもしれませんが…。サッパリと上品で香ばしい香りが酒のアテに丁度良く仕上がりました。
しもつかれの名前の由来は栃木の旧地名の「下野(しもつけ)」からきているとか、「酢につかる」が訛ってしもつかれになったとか、諸説あるようです。「七軒の家のしもつかれを食べると病気にならない」などと言われているので、ご近所さんと分けたりして食べるそうですが、皆さんウチのしもつかれが一番美味しいと言うそうです(笑)
…其の二につづく
酒と鮓 梅軒
【冬限定】蟹づくし+鮓のコース始めました
今週から勢子蟹(香箱蟹)の漁も解禁になりましたので、冬限定の蟹づくしのコースはじめます。
コース内容は…
先付 たらば蟹酢
割鮮 本ずわい蟹湯引き刺
吸物 蟹のかき玉汁
焼物 勢子蟹甲羅焼
鮓 約10貫
留椀 渡り蟹味噌汁
香の物
…で¥8,000(税抜)です。前日までのご予約でお願いします。
写真は焼物の甲羅焼の兵庫県香住産の勢子蟹です。まだ漁が始まったばかりなので、外子よりも内子がたくさん入っています。ほぐした蟹の身の上に、外子、内子、蟹みそをのせ、サッと焼いてお出しします。コイツで燗酒で一杯なんてオツですな。
ご予約お待ちしております。
酒と鮓 梅軒
年末年始にいかがですか?笹乃葉鮓承ります
なんだかあっという間に11月ですね。
年末年始のお節と一緒に、帰省の際の手土産に笹の葉鮓はいかかでしょうか?
6寸の木箱に入った笹の葉にくるまれた5種類の鮓(真鯛×4貫、小鰭×4貫、煮穴子×4貫、海老×4貫、〆鯖×4貫)全20貫に太巻き鮓1本(鮪、真鯛、海老、玉子、煮穴子、胡瓜、干瓢、桜でんぶ)です。
税込¥8,000です。ご予約時に店頭にて現金か、銀行振込にてお支払いください。
ご予約受付 12/26(火)まで。
お受渡しは12/31(日)の10:00~14:00梅軒店頭にてのお渡しを予定しています。
上記以外のお受渡しのお時間や日にちをご希望の方はご相談ください。
またお嫌いな食材の変更等もご相談ください。
数に限りがありますので、定数になり次第締切らせていただきます。
海の状況で魚が変更になる場合がございます。
ご予約お待ちしております。
酒と鮓 梅軒