酒と鮓 梅軒(バイケン)

武蔵小山の鮓(すし)割烹と日本酒の店です【住所】目黒区目黒本町5-16-3☎03-5708-5542 水曜定休

秋刀魚(サンマ)の時期ですが・・・

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秋です、秋刀魚です。

個人的に好きな焼魚の1位が秋刀魚です。あの脂ののった感じ、わたの苦み、たいして骨を気にせず食べられるし、酒でもごはんでもイケる万能さ、そして値段ともう完璧じゃ~ないですか!(ちなみに2位は鮎です)

 

秋刀魚は夏前に黒潮にのって北上してオホーツク海で太り、夏の終わり頃から寒流にのって南下してきます。南下する際に身体に蓄えたあの脂を使いながら、遠く近畿・九州まで行きます。なので、脂ののった秋刀魚は三陸・金華湾あたりまでとよく言われます。ニュースなどで「銚子沖で今年も秋刀魚漁が…」なんてのがありますが、北海道・三陸物よりも脂は落ちてます。「あんまり脂強いのは苦手」という方には丁度いい頃合いかと。さらに南下してすっかり脂が抜け落ちた物は紀州あたりでは丸干しにしたりします。これはこれで旨いです。

 

そんな秋刀魚ですが、今年も昨年に続きさらに不漁です(泣)

目黒の秋刀魚祭も今年はついに生サンマの確保ができず「去年の冷凍物」を使ったそうです。

原因は「水温の温暖化」と「中国・台湾の乱獲」と言われています。

ここ数年、いろんなニュースでも取り上げられていますが、「南の魚がこんな北で見つかった」なんてのが多いです。確実に日本沿岸の海水温が上がっている証拠でしょう。秋刀魚は冷たい海水を好むので「温度が上がった日本沿岸に近づいてこない」のが現状らしいです。加えて日本食バブルの中国・台湾での乱獲もそれに拍車をかけているようです。

河岸で買物をしているとよくわかります。例年までは1本200gくらいの大きな脂ののった秋刀魚が8月の根室・釧路沖では獲れていたのが、去年あたりから1本140gくらいの物がほとんどになってしまいました。やっと大きい物を見つけてもせいぜい160gくらいしかありません。残念な話ですが、獲れた物の中でイイ物を見つけて商売するしかないです…。

 

日本沿岸の海(気候)が崩れているのは、河岸で実感します。「えっ、この時期にこの魚獲れたの?」とか「まだこの魚獲れてるの?」など、昔の旬の時期からのズレを感じます。なにかやったらこのズレは止まるもんなんでしょうか?日本は四季を大切にする国ですからね、このままズレてったら風情が無くなるな~(悲)そして俺の秋刀魚が…

 

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