宮城 萩の鶴 裏ブレンド
まず裏ブレンドってなんじゃい?
この裏ブレンドとは、普段製品にする日本酒を造っている工程で、どうしても製品としてビン詰めするには半端な量の物ができてしまいます。それを一挙に集め、バランス良くブレンドしたものがこれです。命名は蔵人の佐藤曜平くんが思いついてつけた名でしょう(笑)
その曜平くんに問い合わせたところ、この酒の中身は「香り系の純吟+純米+特別純米+吟醸」だそうです。
実際この酒の裏張りの表示は米の磨き65%となってますが、これも平均値だと思われます。
「なんだよ、余り物の寄せ集めかよ」と思う方もいるかとは思いますが、僕個人的には面白い企画だと思います。日本酒の世界では大々的にブレンドとはうたってないけど、普通にみんなやってます。ただし、下にランクの酒に混ぜるのが普通。例えば純吟の残りは純米や本醸造に混ぜるなど。
だけど、これをちゃんとブレンドしましたって言う萩野酒造さんの試験的な試みが好きです。だって洋酒の世界ではブレンドなんて当たり前なので。
こういう試みがなにか日本酒の新しい切り口になってくれたら嬉しく思います。今後、あの蔵の酒とこの蔵の酒をちゃんとブレンドして販売なんてこともあるかもしれません(萩の鶴+伯楽星=萩楽星とか(笑))
ちなみに曜平くんとこはこの他にも「メガネ専用」なる日本酒も造ってます。奇跡的に蔵人全員がメガネをかけてるそうで(笑)
ふざけてるようですが(実際ふざけてますが)、真剣にふざけてるので酒質は折り紙つきです。
こういう酒があると呑み会のときに楽しいですよね。
最後に萩野酒造さんのHPから抜粋した文章ですが…
「私たちの考える理想の酒は、外行きではない普段着のような感覚で、肩肘張らず気軽に楽しめる酒です。高級料理店でワイングラスと共に楽しむ日本酒も魅力的ですが、普段は無造作に茶碗に注いで飲むような日本酒の方が性に合っています。例えるならば、たまに着るよそ行きのドレスよりも、毎日着られて心地のいい、カジュアルでありながらも上質なTシャツのような酒を醸したいと考えております。」
ものすごいカッコイイ言葉だと思います!
酒と鮓 梅軒