昔ながらの熟成烏賊の塩辛
烏賊の塩辛造りました。
最近はすぐに烏賊の肝を裏ごして、その日のうち、もしくは2~3日寝かして造る塩辛が多いですが、ウチの店ではキッチリと昔ながらの方法で塩をして1週間~10日は肝を寝かして熟成させたもので仕込みます。
寝かしの浅いものはサッパリとした味ですが、しっかり寝かしたものはコクと旨味が良く出ていて塩はきつめですが酒のアテにぴったりです。
本来、塩辛は保存食なのでキッチリと塩をして、発酵と熟成をしたものです。
近頃は減塩ブームで塩の少ない塩辛などがありますが、その分日持ちさせるために保存料、コクを補うために化学調味料などが入ってますな。どっちが体にイイんだか…。
今年は北海道でスルメイカが不漁で高騰してますな。そのうち、塩辛も高級料理の仲間入りしてしまう日がくるんでしょうか。
北海道根室 オランダせんべい
こちらは北海道、根室では有名なお菓子「オランダせんべい」です。
写真では分かりづらいかと思いますが、サイズは直径15㎝くらいのせんべいです。
せんべいって言っても、カリッとはしてなく、もっちりとした食感です。
なぜか懐かしい素朴な味わいで、似てるものと言えばタイ焼きのしっぽからはみ出た部分に近く、それよりも甘い感じです。
そのまま食べたらもちっとしてるけど、ちょっとレンジで温めるとさらにふわっともちっとになって美味しいです。僕は少し温めたものが好きですね。ちょっとバターをのせても美味しいと思います。クリームやバナナを挟んだらワッフル的な感じになります。
また温めたものが冷めると水分が飛んで、今度はカリッとゴーフルのような味に変わります。
温度によって味わいや食感が変わるので、おやつにもお子さんの朝食にも中々いいですよ。こういう素朴なおやつ、個人的に好きだわ~。
酒と鮓 梅軒 ☎03-5708-5542
秋田 鰰飯すし
今日は秋田県の「ハタハタの飯鮓(いずし)」の紹介
ハタハタの語源は昔の雷の擬音語で、今でいうゴロゴロと同じ意味らしいです。
秋田の日本海では初冬の天候が悪い雷のよく鳴る日に海岸に産卵のため現れることから、この名がついたとか。別名カミナリウオとも呼ばれるそうです。
そんな秋田ではハタハタの料理は多く、焼いたり煮たり、有名な魚醤「しょっつる」はこのハタハタでつくられます。
このハタハタの飯鮓は元々保存食としてつくられ、塩漬けのハタハタを使うことから山間部の方でもよく食べます。
まず、ハタハタを丸ごと塩漬けにし、塩抜きのあと酢に漬け、麹と白飯を混ぜたものと蕪や人参、生姜などの野菜と一緒に笹の葉の上に交互に敷き詰めていき、重石をして3~4週間発酵させたのち食べます。
麹の甘い香りと乳酸発酵の酸味がイイ酒のあてになるんです。
結構酸味の強いタイプのものもありますが、今回店で造ったのはもっとソフトなタイプ。なので飯鮓が苦手な方でも食べれますよ~。
酒と鮓 梅軒 ☎03-5708-5542
栃木 開華
先日、栃木の蔵元「開華」の営業の相良くんが酒を持って営業に来てくれました。
相良くんは以前、下高井戸の有名居酒屋さん「おふろ」で彼がバイトしてた頃からの付き合いなので、もう20年くらいになります。
相良くんは昨年から地元の開華さんで働きはじめまして、この日はその開華の試飲をさせてもらいました。
地元栃木の下野杜氏(しもつけとじ)が醸す酒は、サラリとした印象の酒でした。
その中でも味のしっかりある「山廃 純吟」が僕的には好きですね。お燗してふわっと旨味が広がる感じがいいです。
まだ入社1年目の相良くんなので、やれることはまだあまりないと言ってましたが、今後の蔵の酒造りに対して熱く語ってくれました。がんばれ相良くん!
酒と鮓 梅軒 ☎03-5708-5542
北海道 ベルのたれ
道産子の愛してやまないジンギスカン用のたれ「ベルのたれ」
ジンギスカンはマトンやラムといった羊の肉を山なりになった鉄鍋(平鍋もありますが)で焼いて食べる北海道の料理です。ま、一時期東京でもジンギスカンブームで中目黒あたりにすごい勢いで店ができたおかげで広く一般的にも知られ、食べたことがある人も多いと思います。
最近はブームも落ち着いたみたいですが…。
僕のウチは北海道に親戚がいるので子供の頃から家では普通に鍋をやるくらいの感じでジンギスカンをよく食べてました。ちゃんとジンギスカン鍋も持ってましたし、当時関東では手に入りづらかったラム肉も北海道の親戚から送ってもらってました。
ジンギスカンは「生肉焼きタレ漬け」と「漬け込み肉焼き」とありますが、圧倒的に多いのは「生肉焼きタレ漬け」でしょう(ウチでは漬け込み派でしたが)
大阪の家庭のたこ焼きと同じレベルで、北海道では家やBBQでやることの多いジンギスカンですが、その時に使われるタレで絶大な支持があるのがこの「ベルのたれ」
他にもジンギスカン用の「ソラチのたれ」とかもあるんですが、ダントツ「ベル」人気です。
このタレ良くできていて、玉ねぎの甘みとスパイシーな酸味があってすごい美味しいのです。僕の家では炒め物なんかでも良く使います。スパイシーさがビールにもってこいなのです。
店でお出しすることは多分ない(笑)と思いますが、僕はこれでジンギスカンを食べるときには、このタレをベースにさらにすりおろしのリンゴやセロリ、生姜、にんにくなんかを入れて味に深みを出して使います。
最近ではたまに都内のスーパーなんかでも見かけるので、1本家にあると普段の炒め物がまた一味違った感じになるので重宝しますよ。(ステマじゃございません)
ちなみに僕はジンギスカンの付け合わせの野菜はもやしだけでイイ派です。
酒と鮓 梅軒 ☎03-5708-5542
愛媛県宇和島 萬年味噌
過去に全国の蔵元巡りをして行ったことのない県がなくなった僕が、そこで食べたり出会った、その土地特有の料理や食材などを少しばかり紹介しようと思います。そうです県〇ショー的なヤツです(笑)地元の方、もし情報が間違っていたらごめんなさい。
四国産のはだか麦だけを100%使い、麹と塩だけで丁寧に造られた麦味噌です。
なかなか麦100%の味噌って見ないですもんね。
麦味噌というと「もろみ味噌」や「金山寺味噌」が有名ですが、これらは「なめ味噌」(そのまま食べる用)になりますが、この萬年味噌は調味料としての麦味噌です。
麦麹の甘みのあるやわらかな味の味噌で、味噌汁にしてもほっこりした味が印象的です。
昔はウチのおふくろの実家(秋田)でも、自分の家で使う味噌(豆米味噌)は毎年仕込んでました。こんなに丁寧に造る訳じゃないですが、それでも塩分調整や熟成調整が自分でできるので中々美味しい味噌でした。それが「手前みそ」の言葉の発祥らしいです。今はみんな味噌は買うものと思ってるでしょうな~。
こういう昔ながらの製法を守り、丁寧に仕込んだものは、もっともっと世に出て欲しいですな~。
ウチの店では今、同じく愛媛産の真鯛の握り鮓にこの味噌をチョコンと乗せてお出ししてます。ふんわりと麦の甘い香りと鯛の旨味が良く合って美味しいですよ。
酒と鮓 梅軒 ☎03-5708-5542