牡丹海老(ボタンエビ)
牡丹海老です。色が真っ赤な牡丹の花のようなのでこの名がつきました。
今、河岸に出回っているほとんどのボタンエビが正確にはトヤマエビという海老です。トヤマエビ(写真)は北海道~日本海沿岸で獲れます。
本当のボタンエビというのもいるんですが今はほとんど水揚げがありません。本当のボタンエビは日本海側では獲れないそうで、太平洋側に生息しているそうです。僕も河岸であまり見かけたことがないもののひとつです。
なので、ここではトヤマエビ=ボタンエビと一般的には呼ばれているので、ボタンエビとしてお話したいと思います。
ボタンエビは通年出回っています。産卵期になるとアマエビと同じような青い色の卵を身につけます。厳密な旬は難しいとこですが、やはり秋~冬が美味しいと思われます。
濃厚な甘みとプリっとねっとりとした食感があり、海老みそも濃厚で美味しいです。
今、店ではこのボタンエビの握りの上から、海老みその塩漬けの上澄み液を醤油代わりに塗ってお出ししています。海老みその風味とコクが日本酒のアテに最高ですよ。
酒と鮓 梅軒
To a traveling customer
Sake and Sushi Baiken
A restaurant of seasonal leaving sushi and course menu.
There is also a la carte.
I also have a large selection of Japanese Alcohol(sake).
The course contents
Example / Appetizer 2, sashimi, soup, broiled fish, nigiri sushi about 10, miso soup and pickled vegetables.
The menu changes with the situation of the sea.
Course charge / ¥6,000 (without tax/according to service charge)
A la carte dishes / Sushi 1 piece ¥200~ ,Grilled fish ¥650~ etc…
Alcohol / Beer ¥700 , Japanese Alcohol(Sake) ¥800~ , Japanese distilled liquor(Shouchu) ¥700~
We have refrain from use of the person who doesn’t drink liquor and an underage person.
I can’t speak English so much, but please come to the store to eat good sushi.
Tel 03-5708-5542 (to Hara)
Please tell me the date, the number of people and time.
152-0002
5-16-3, Megurohoncho, Meguro-ku, Tokyo
Weekday Open 17:00 / Close 22:00
Sunday&Holiday Open 16:00 / Close 21:00
Regular day off Wednesday
鯔(ボラ)と唐墨(カラスミ)
カラスミのシーズンがやってきました。カラスミとはボラの卵を塩漬にして干したもので、日本三大珍味のひとつと言われるものです。
元々中国からやってきたもので、最初はボラではなく鰆(サワラ)の卵で作っていました。江戸時代に長崎で大量に獲れるボラの卵を使うようになり、それが定着したんだそうです。
カラスミという名は中国(唐)の墨に形が似ていたから付けられた名だそうです。
台湾やイタリアでもカラスミとよく似たものがありますが、ほとんどはボラの卵ではないですね。やっぱり日本酒に合うのは日本のカラスミだと勝手に思っています。
酒の肴には最高の珍味ですね。炙っても美味しいです。
作り方はボラの卵を血抜き→塩漬け→塩抜き→干すというものですが、出来上がるまでに時間がかかります。結構な手間がかかるので値段が高いと思われがちですが、元々の仕入れ値からして高いんです。だいたい¥10,000/㎏くらいが相場でしょうか。本体の魚のボラ自体は卵を持ってないときはものすごく安い魚なんですが、この時期の卵持ちのメスは一気に相場が跳ね上がります。
ちなみに本体のボラはこんな魚です。防波堤付近に大量の群れをなして泳いでる姿をよく見かけます。
このボラですが実は出世魚(成長とともに名前が変わる魚)でして、ハク→オボコ→イナ→ボラ→トドと大きくなるにつれて名前が変わります。地方によってはこれとはまた違う呼び名になるところもあります。
「とどのつまり」という言葉はこのボラの最終形態のトドからきている言葉で、「トドから先はない」ということからできた言葉だそうです。
江戸っ子が粋な若い衆をいった言葉の「いなせ」もボラから来ている言葉です。江戸時代の魚河岸(日本橋)の若い衆で流行ったマゲの結い方がボラの若魚イナの背に似ていたことからついた名だそうです。漢字で書くと「いなせ=鯔背」となります。
これだけいろんな語源にもなっているボラですが、本体の方の味はちょっとクセがあって微妙です(苦)
酒と鮓 梅軒
真鯛(マダイ)
古くから日本人に愛されてきた真鯛。「おめでたい」や七福神の恵比寿さんが持っているのも真鯛です。上品な白身の味と綺麗な赤色などが好まれてきました。
最近では養殖も盛んで、昔よりも美味しい養殖の真鯛も食べられるようになりましたが、やはり天然物は一味違います。天然物は養殖物の約4分の1ほどの水揚げ量です。
値段も1500/㎏~12000/㎏と養殖~天然で幅がかなりあるのも特徴的です。
明石産の真鯛が有名ですが、関西での需要が多いので関東(築地)にはなかなか入ってきません。ですが関東でも内湾物の江戸前や相模湾などでいい鯛があがります。
真鯛は旨さが顔に出ます。嘘っぽいですが、統計的には合ってると思います。外房物(外海)のいかつい顔の真鯛より、江戸前の優しい顔つきの真鯛のが上品で美味しいです。写真の真鯛は江戸前・小柴の真鯛です。
春が産卵期でその頃は卵も美味しいのですが、産卵期の身のほうは痩せててあまり美味しくはないです。なので身の方の旬でいうと冬が一番美味しいと僕は思います。
養殖物があまりにも多いので真鯛の味にいい印象がある方が多くないようですが、天然物のいいヤツを食べるとやはり白身の代表格という感じがしますね。
酒と鮓 梅軒
ヒラメ(鮃)
ヒラメです。鮓ネタでは白身の代表格です。
これから冬にかけて美味しくなってきます。状態のいい肝も蒸して肝醤油なんかにすると格別です。
ヒラメは養殖も盛んですが、やはり天然物とは味の差がありますね。
鮓にするには活け〆したその日よりも、数日寝かした方が旨味も増し、食感も柔らかくなるのでシャリとの相性がよくなります。
ちなみにヒラメとカレイの見分け方ですが、よく言われるのは「左ヒラメの右カレイ」と言って、魚を置いたときに左側に目があるのがヒラメで、右にあるのがカレイです。しかし、極々稀に「右ヒラメ」なる物がいるそうです。僕も写真でしか見たことはないですが、味に違いはないそうですが一度は生で見てみたいもんです。
酒と鮓 梅軒
煮穴子
煮穴子です。
煮穴子はお店によって味の仕上げ方が違うので、その店それぞれの特徴が出るのでおもしろいです。
穴子といえば、昔から羽田沖の江戸前物が良いとされていますが、それは今も変わりません。西の方だと瀬戸内で獲れた物がいいみたいですね。穴子といってもいろんな種類がいて、この江戸前といわれる鮓に使うのはマアナゴのみです。
穴子は煮ても焼いても美味しい魚です。刺身を出してるところも、穴子や鰻などの長物は血液中に毒素の成分が含まれているので、ちゃんと下処理をしていない限りおすすめしません。僕も興味本位で自分で作って食べたことがあります。白身のコリコリした食感の刺身ですが、火を通したほうのが穴子は旨いです。
春先に出回る穴子の稚魚のノレソレも季節を感じる食材で風情があっていいですね。
今回は酒のアテの鮓を意識して、少し濃い目の味付けにしました。
ちなみに激安のくるくる的なお寿司屋さんで出る穴子の寿司はこのマアナゴではなく南米で獲れる穴子によく似たマルアナゴという魚を使った代用品であることが多いそうです。
酒と鮓 梅軒
すいませんm(_ _)m
誠に申し訳ありませんが、本日10/9(月)の夜の営業はお休みさせていただきます。
酒と鮓 梅軒