「日本全国食べ歩かない」第7歩 「富山県 羽根屋」その弐
「日本全国食べ歩かない」の第7歩「富山県 羽根屋」さんの会の続きです。
揚物 白海老唐揚 レモン
「海の宝石」とも呼ばれる白海老は富山湾の名物のひとつでもあります。相模湾や駿河湾にも生息していますが、漁ができるのは富山湾だけです。これは富山湾の海が海岸から急に深くなっていることや海底の起伏などの関係だそうです。この白海老をはじめ富山湾には日本海で獲れる魚の半数以上が生息している本当に海の幸が豊かな恵まれた海域です。
白海老はカリッと揚げてシンプルに塩で。かき揚げなんかも美味しいですね。刺身で食べてもねっとりとした食感と甘みがあり、透明感のある白い色が本当に綺麗な海老です。
煮物その壱 あいまぜ 大根 蕪 菘 蘿蔔 七味
あいまぜは富山の家庭料理のひとつで、古漬けになってしまった大根や蕪、大根の葉などの漬物を塩抜きし、酒粕と味噌で炊いた和え物のような煮物です。
酒粕と味噌の風味と漬物の食感が少し残り素朴な味わいです。各家庭でいろんな味があるそうなので、富山のおふくろの味的存在なんだと思います。
煮物その弐 鰤大根
個人的にぶり大根は大根が美味しいというか、大根を食べる料理だと思っています。ぶりは出汁ガラになってしまいパサパサになってしまいますからね。なので、今回はたっぷりのぶりのアラから出汁をとり、それで大根を柔らかく味がしみ込むまでじっくりと炊きました。逆にぶりが無いほうのが、ぶりの風味を余計に感じられる気がします。
飯物 鱒鮓
こちらも駅弁などで有名な鱒鮓です。元々は殿様に献上するのにつくった鮎鮓から派生してできたものだそうです。新鮮な鱒を塩をした後、酢で〆てシャリと一緒に押します。今回は贅沢に鱒は二段にして入っています。
留椀 勢子蟹味噌汁 浅葱
ちょっと季節が終わりかけでしたが、セイコガ二(香箱蟹)のシンプルなお味噌汁です。豪快に半割にしたセイコガ二から出る蟹味噌と内子で濃厚な出汁になってます。
香物 紅白蕪漬
富山では赤カブの漬物も有名です。今回はおめでたく紅白の漬物にしました。
おまけ 細工かまぼこ
富山は結婚式などのおめでたい席ではこのような鯛などをかたどったかまぼこを出し、切り分けてみんなに幸せを振る舞うという習わしがあります。折角なので今回現物を用意しました。小ぶりですが、かわいい鯛のかまぼこです。
今回お越しいただいた羽根屋の羽根さんです。
1年を通じて酒造りをされている羽根屋さんですが、それでもこの時期は品評会用の大吟醸の仕込みなどがありお忙しいはずですが、わざわざ来てくださいました。
数少ない四季醸造蔵(1年中お酒を造る蔵)のお話や、富山のお話、酒蔵に嫁いだ話など興味深いお話の数々ありがとうございました。
豊富な海の幸を有する富山湾に、アルプスの雪解け水で仕込む羽根屋。北陸新幹線も通おりアクセスもよくなったので、是非富山に遊びに行ってみてはいかがですか。金沢よりも安くて美味しい海の幸がありますよ(笑)
酒と鮓 梅軒
「日本全国食べ歩かない」第7歩 「富山県 羽根屋」その壱
先日の第7歩目の「日本全国食べ歩かない」は「富山県 羽根屋」さんでした。
北陸新幹線も通り活気づく富山から羽根屋の富美菊(ふみきく)酒造の羽根さんに来ていただき、富山満喫の会のスタートです。
毎度もらってくる観光パンフレットが今回は数枚しかもらえず(富山のアンテナショップが数枚しかくれませんでした)皆さんに行き渡らずすいませんでした。
今回の羽根屋のラインナップはコレ。
右から純米大吟醸翼・純吟プリズム・純吟煌火・純米しぼりたての4種。
どれも羽根屋らしい透明感のあるお酒です。生酒ですが、生特有の重さはなくスッキリと呑めます。
先付 鰤のあんじゃなます 分葱
この時期の富山といえば氷見の寒鰤ですね。脂ののった鰤に生姜のきいた酢味噌で和えた料理です。「あんじゃ」とは「兄者」のなまったものだと言われています。
富山湾で獲れた魚介の干物の炙りです。干した甘海老はそのままでも美味しいですが、サッと炙るとまた海老の香ばしい香りがよくでます。
蛍烏賊は富山湾の春の風物詩ですが干物は1年中出回っています。肝も入ったままなので、炙ると肝が溶けてこれまた酒のアテに最高な逸品です。目がついているので、それだけ外してから炙ると口に残らず食べやすいです。
げんげは体長20㎝ほどのヌルヌルとした平べったく細長い深海魚です。ちょっとグロテスクな感じですが、クセのない淡白な白身の魚で汁物や干物、天ぷらなどにして食べます。天ぷらにするとフワフワの食感が楽しめ、汁物にするとゼラチン質のプルプルした食感と舌の上でとろけるような食感が楽しめます。干物にすると味がグッと濃くなります。げんげの語源は元々は蟹漁の網などに入ってくる商品にもならん邪魔な魚という扱いだったそうで「下の下」が訛って「げんげ」になったのだとか。鮮度が落ちやすい魚なので昔は港町近辺でしか食べませんでしたが、冷蔵流通が良くなり全国的にも知られるようになりました。今では中々お目にかかれない幻の魚という意味で「幻魚」と書くそうです。
吸物 かぶす汁 笠子 渡蟹 目光 金目鯛 のど黒 キンキ 真鯛 浅葱
お湯に新鮮な魚をぶち込んで味噌で味付けしただけの、いたってシンプルなこの料理。元々は氷見の漁師のまかないだったもので、その日に獲れた新鮮だけど売り物にはならない小魚や蟹などで作ったものです。鮮度がよい魚介を大量に入れることで、臭みなどなく出汁も使わなくても十分な味と旨味がでます。今回は売り物にならない魚は手に入らないので(笑)カサゴや目光などの小魚と渡蟹、そして金目鯛などカマを大量に入れて作りました。いろんな魚からでる旨味出汁は濃厚で味に深みがあって旨いです。
「かぶす」とは方言で「分け前」という意味だそうです。まさに海の分け前って感じの料理ですね。
割鮮 氷見の寒鰤 貝割大根 辛味大根 芥子
もちろん造りは氷見の寒鰤!鰤は10㎏を超えると一気に脂がのってきます。今回のももちろん10㎏超えです。半分はそのまま造りで食べていただき、半分は出汁をかけて鰤しゃぶ風にと2度楽しめるようにしてみました。薬味は僕の個人的な好みで、辛味大根と芥子。脂の多い魚には芥子や辛味大根がよく合います。
その弐へ続く…
酒と鮓 梅軒
「日本全国食べ歩かない」第六歩 「東京都 東京港醸造」の一部目
先日、梅軒の月一恒例イベント「日本全国食べ歩かない」第6歩の「東京港醸造」さんの会の第1部がありました。今回の第6歩は計3回開催するので、詳しい献立などはすべて終わってからUPしたいと思います。これから参加くださる方のお楽しみをとっておかないとなんで。
なので、さらっと会の様子だけ。
杜氏の寺澤さんが来てくれました。元々、某大手の蔵元さんにいた方なので東京の新しい蔵とはいえ、酒造りはしっかりとしています。
タブレットで写真や動画をおりまぜ、蔵の歴史や酒造りについてお話いただきました。
「西郷どん」絡みの知られざる実話なども、蔵の歴史と共に語ってくれました。
いろんな処で聞きかじったり、図書館で調べたりした江戸料理についてもなかなか面白い話ができたかなと思います。
次回の「東京港醸造」さんの開催は1/27と2/17です。おかげ様で両日ともに満席になりました。
ご予約頂いたお客様、お待ちしております。
酒と鮓 梅軒
【笹の葉鮓】の地方発送できます
年末年始用の【笹の葉鮓】ですが、地方発送ができることになりました。
ヤマト便60サイズにて冷凍での発送となります。
お召し上がりの3~4時間前に常温にて解凍してください。解凍後はお早目にお召し上がりください。
送料は発送先にてことなりますが、だいたい1個1000~1500円くらいになると思います。
ご希望の方はご連絡ください。ご注文は12/26(火)まで。
【笹の葉鮓】
6寸の木箱入り
5種類の鮓(真鯛×4貫、小鰭×4貫、煮穴子×4貫、海老×4貫、〆鯖×4貫)全20貫
写真の笹の葉鮓は上下2段で計20貫です
太巻き鮓1本(鮪、真鯛、海老、玉子、煮穴子、胡瓜、干瓢、桜でんぶ)
¥8,000(税込/送料別)
ご注文☎03-5708-5542
酒と鮓 梅軒
平鱸(ヒラスズキ)
久しぶりの食材の投稿です。
平鱸(ヒラスズキ)です。
一般的に夏が旬と言われるの鱸(スズキ)と非常によく似ていますが違う魚です。
ヒラスズキは磯場などにいて釣りの対象魚としても人気です。見た目がスズキとよく似ているので素人目には判別しにくいと思われます。
あまり河岸でも流通しておらず、時々見かける感じです。キロ単価もスズキの1.5倍くらいの高値で取引されています。関東より北ではあまり獲れないそうです。
ヒラスズキは秋~冬が旬で、ちょっと磯っぽい味のあるスズキとはまったく違い、味は非常に上品でキメの細かい身質です。刺身でも焼いても美味ですが僕は個人的には刺身が一番好きですね。鯛とイサキを足して割ったような感じの味わいです。
寒くなってきて美味しい魚も増えてきましたが、海がこのところ時化てるので河岸でも魚が少なく高値なのが悩みどころですな…。
酒と鮓 梅軒