濃厚魚出汁の鱧と松茸の土瓶蒸し
今日も涼しい陽気ですね~。ちょっと肌寒いくらいですか。
燗酒でも呑みたいですね。
暦も9月になり、梅軒でも秋らしい献立になりました。
「鱧と松茸の土瓶蒸し 魚出汁仕立」です。
具材は一般的な鱧と松茸ですが、出汁を魚のアラで濃厚にとったものを使っています。
パンチのある味ですが、酒のアテになりますよ。
酒と鮓 梅軒
「日本全国食べ歩かない」第二歩 宮城県 萩の鶴/日輪田 満員御礼
先日、「日本全国食べ歩かない」の第二歩目になる「宮城県 萩の鶴/日輪田」の会が無事終了いたしました。
今回は専務の曜平くんが、フリップを使って分かりやすく蔵の歴史や酒造りを教えてくれました。やっぱり絵や写真で見ると理解しやすいですね。お客さんたちもいろいろ喰い付いて質問してましたな。少人数だからこその酒の会という感じで蔵元さんとの距離も近く、みなさんには楽しんでもらえたみたいです。
さて、今回の宮城の郷土料理は…
先付 赤貝酢の物 胡瓜 若布 生海苔 生姜酢
宮城県閖上は赤貝の一大産地であり、トップブランドです。閖上の赤貝は殻が薄く、身が厚い。同じく三陸産の若布と一緒にサッパリと酢の物に。
前菜 あざら のど黒かま 白菜 酒粕
「あざら」はメヌケのアラと白菜の古漬けを酒粕で炊いた郷土料理です。
元々はお正月に使ったメヌケの残りのアラと、年末から漬けて酸っぱくなった白菜の古漬けがもったいないということで、酒粕を入れて炊いたのが始まりだとか。
酸味があるので好き嫌いがでる料理ですが、おもしろい料理です。今回はメヌケの代わりに同じく脂のあるのど黒のカマを使いました。
吸物 お葛がけ 大根 人参 茄子 椎茸 里芋 牛蒡
豆麩 豆腐 絹鞘 三つ葉 白石温麺
東北地方に行くとよくある根菜のたくさん入った吸物です。角切りにした野菜と干椎茸の出汁がほっこりとした味。今回は名物の白石温麺も入れてます。体にやさしい吸物です。
割鮮 秋刀魚二種盛 洗葱 針生姜
秋の三陸といえば秋刀魚。そのまま刺身と軽く炙ったものと二種盛です。
去年に引き続き今年も秋刀魚は不漁です(泣)
煮物 ごろんべ鍋煮物仕立 泥鰌 大根 牛蒡 人参 絹鞘 酒粕
こちらは萩の鶴のある栗原市の郷土料理で、ドジョウを入れて酒粕で味を調えた鍋物を煮物にしました。「五郎兵衛さんが好んで食べた」ことからこの名がついたとか。牛蒡の香りがいいアクセントになってます。
珍味 海鞘と西瓜の和え物 白瓜 胡瓜
三陸といえば海鞘(ホヤ)。海のパイナップルなんて呼ばれてますが、嫌いな方も多いですね。独特の香りがありますが、あれは鮮度と下処理で変わってきます。
今回は嫌いな方でも食べやすいように、ドレッシングをかけてます。瓜の青い香りとスイカの甘みがよく合います。
御飯物 はらこ飯 紅鮭 筋子 海苔 山葵
留椀 松葉汁 仙台味噌仕立 秋刀魚摘入 大根 菘
香の物 糠漬け 白瓜 茄子
仙台駅の駅弁でも売られている「はらこ飯」。鮭の炊き込みご飯の上に筋子をのせた贅沢な親子丼です。
松葉汁とは秋刀魚のつみれと大根、菘(大根の葉)の入った味噌汁です。菘が松葉のように見えるからこの名だとか。鰯などよりも癖のない味の秋刀魚のつみれに、仙台味噌で味付けしました。
筋子は今が新物なので、皮も柔らかく美味しいです。鮭はたっぷりと入れて炊き込みました。
甘味 栗原丸餅 すんだ じゅうねクリーム
笹かま、牛タンと並んで宮城の郷土料理といえばこの「ずんだ餅」。潰した枝豆に、洋平くんが当日の朝買ってきてくれた突きたての栗原市名物の丸餅を和えてます。この丸餅めちゃくちゃ旨い!
じゅうねとは「えごま」のことです。あまりなじみがない食材ですね。焼肉屋でたまにえごまの葉は置いてるとこありますが、これはえごまの種の方。よく煎ってから、擂り潰し、生クリームをいれて口当たりをなめらかに。独特の香ばしい香りが美味しいんです。これも栗原市の名物です。
日輪田 山廃純米 / 山廃純米 雄町
曜平くんが持ってきてくれたのはこの4本。
萩の鶴純吟は爽やかな香りの酒。食前酒にもいいですね。
萩の鶴純米冷卸はこれから9月に発売されるものを、一足先に持って来てくれました。こなれたまろやかな味があり、呑み飽きしないでいいですよ。
日輪田は同じ山廃純米ですが、米違いで呑み比べを。みなさん、あーでもないこーでもないと呑み比べ楽しんでました。
第二歩目の今回も楽しい会になりました。宮城は海も山もあり、城下町として栄えただけにいろんな郷土料理があって勉強になります。
萩の鶴の曜平くん、参加くださったみなさま、ありがとうございました。
次回の「食歩会」は9/9(土)「山口県 三好」です。
追記:第四歩、第五歩の開催日と県も決まりました。まずは店頭告知しています。ブログでの告知はもう少し先になりますので、気になる方はお店までお越しくださいませ。
酒と鮓 梅軒
「日本全国食べ歩かない」第三歩 山口県 三好・阿武の鶴
どうも、皆さんお盆休みはどうでしたか?あいにくの天気のところが多かったみたいですね。僕は実家の小田原に少しだけ帰りました。
さて、好評の「日本全国食べ歩かない」の第三歩目は「山口県 三好」です!
この蔵はまだまだ知らない方が多いと思いますが、なにせずっと休眠していたものを、蔵の跡取りである三好くんが復活させ、昨年やっと自社蔵で製造が始まったばかりのお酒なんです。しかも造りは三好くん一人で造っているので、世に出回る本数もまだまだ少ないのです。代表銘柄は「三好」と「阿武の鶴」です。
去年から造ったとは思えないほどの出来!今後の活躍が期待される若手蔵元です。
そして、山口の郷土料理といえば岩国鮓や茶粥、食材だと河豚や鮃などの海産物がイイですね。今回もあまり東京では見かけない山口の料理を作りたいと思います。
第三歩 山口県 三好・阿武の鶴
9/9(土) 18:00~ カウンター8席のみの完全予約制
¥10,000(税込/当日現金払いのみ)
山口県の郷土料理のフルコースと地酒「三好」呑み放題です
多数、お電話にてお問合せがありますが、この「日本全国食べ歩かない」の告知は一番初めは店頭での告知となります。なので、ブログで告知する前に満員になってしまうこともありますので、ご了承ください。
第四歩は10月、第五歩は11月を予定しています。
酒と鮓 梅軒
「日本全国食べ歩かない」第一歩 高知県 酔鯨 無事終了しました
昨日、第一歩目の「日本全国食べ歩かない」のイベントが無事終了いたしました。
8名という少数限定での会でしたが、皆さんたくさん呑んでいただいて、大盛り上がりで終わることができました。ありがとうございました。
当日は酔鯨酒造の大倉社長みずから来てくださいました。大倉社長とは、彼が高校生の頃からの付き合いなのでかれこれ20年くらいになります。かわいい弟分です(笑)
先付 冷製こうし飯 しらす 沢庵 岩海苔
高知では年末にしらす(じゃこ)沢庵、岩海苔を混ぜたご飯を食べる風習があり(今では年末に限らず普通に食べますが)、「年越し飯」がなまって「こうし飯」になったと言われています。今回は暑い時期なので、冷たい出汁をかけて冷やし茶漬け風に。
前菜1 どろめ 三杯酢 浅葱 黄金生姜
高知では「生しらす」のことを「どろめ」といい高知市の東、赤岡では毎年春に「どろめ祭り」が開催され、有名な日本酒の1升早呑み大会が行われています。
どろめは三杯酢、もしくは酢味噌で食べるのが土佐の定番。
前菜2 虎杖と薄揚げの煮物
「虎杖」と書いて「イタドリ」と読みます。イタドリは日本中どこにでもありますが、食べるのは高知以外では僕は見たことがありません。全国いろいろな呼び名がありますが、僕の地域ではイタドリ=スカンポと呼んでました。子供の頃、野原に生えているイタドリをちぎってはガジガジしてました。生だと酸っぱい味がします。
イタドリも時期は春ですが、高知のおばちゃんたちは春に採ったイタドリを塩漬けにして冷凍保存して1年中食べます。日曜市などでよく売ってますね。コリコリした歯ごたえと、どこか懐かしい香りが特徴の山菜(ほぼ雑草)です。
今回は定番の薄揚げと炊きました。
前菜3 川海老と胡瓜の煮物
夏の四万十の定番料理です。砂糖と醤油でシンプルに味付けしたものに、少しとろみをつけて冷たして食べます。普段はそのまま煮る川海老ですが、今回は香りを出すために、一度素揚げした川海老を炊きました。胡瓜の青い香りと川海老の香ばしさがいい相性なんです。
吸物 鯨のはりはり汁 水菜 針生姜
冬場に食べる「鯨のはりはり鍋」を吸物仕立てで。今回はミンク鯨を使ったので、クセの少ない上品な味に仕上げました。鯨からもいい出汁がでます。
割鮮 鰹藁叩き 茗荷 青葱 黄金生姜 大蒜
高知といえばのド定番「鰹の叩き」です。昔ながらの方法で、無農薬の藁を使い炙りました。藁で炙ることで、スモーキーな香りが鰹にのります。そして本来の「叩き」の意味である、薬味を鰹にのせ叩いてなじませた後、柚子ぽん酢をかけてます。柚子の果汁も実生の柚子(接ぎ木をしていない種から育った柚子)の果汁なので、香りが抜群です。
焼物 太刀魚酒盗焼 りゅうきゅうお浸し
太刀魚も高知ではよく獲れます。脂ののった大きな太刀魚に、高知名産の酒盗(鰹の胃袋の塩辛)のタレをかけて焼上げました。酒のアテにドンピシャでしたよ。
付け合わせには高知で「りゅうきゅう」と呼ばれる「はす芋」のお浸しを。はす芋はアクのない芋の茎の部分です。シャキシャキした食感が夏らしくて爽やかです。
肴1 心太 四万十青海苔
高知の心太は酢の物ではなく、冷たい出汁をかけたものです。地元のスーパーに行くと、普通に出汁入りの状態で売ってまして、中に柚子だったり、青海苔だったり、胡麻などが入っています。
今回は香りのいい四万十産の青海苔をかけました。
肴2 うつぼの叩き 葱味噌がけ
高知県では、あの「海のギャング」と呼ばれるウツボを食べます。茹でて酢味噌か、葉にんにくの味噌をかけて食べるのが一般的ですが、葉にんにくの時期は春なので、高知産の青葱味噌で。ウツボは骨の入り方が他の魚と違い、かなり特殊なので骨を抜くのにコツがいるんです。
御飯物 鯖の姿鮓 茗荷 黄金生姜 胡麻
こちらも名物の鯖の姿鮓。酢〆した鯖(高知では清水鯖を使います)に、薬味を入れたシャリを抱かせて棒鮓に。柚子の果汁を入れてるので、サッパリとした味。
鯖の姿鮓にも使ってる「黄金生姜」は高知県産のブランド生姜。辛味と香りの強いヒネ生姜です。普段、梅軒 のガリはこの生姜を使っています。
留椀 糠の味噌汁 鰹中骨 韮
味噌汁に糠床を少し溶き、焼いた鰹の中骨と韮を入れた味噌汁です。糠が入ることで、風味とコクがでます。酒のアテにもなる汁物です。
香の物 りゅうきゅう・胡瓜・茗荷和え
古漬けにした胡瓜に、スライスした生のりゅうきゅうと茗荷を和えたシンプルなお漬物。りゅうきゅうのシャキシャキ感がサッパリしてて夏向き。
甘味 あいすくりん ミレービスケット
こちらも高知の代表お菓子「あいすくりん」と「ミレービスケット」。
あいすくりんは関西でも売ってます。バナナのシャーベットのような、どこか懐かしい駄菓子の味です。
ミレーのビスケットは最近都内のコンビニでも売られるようになりました。粉の香りのちゃんとする、塩のきいたシンプルで美味しいビスケットです。
おかげ様で大盛況に終わることができました。実験的な日本酒のカクテルなんかも、皆さんそれぞれに割合など注文したりして楽しめました。
僕自身も久しぶりに高知の料理がつくれて楽しかったです。
大倉社長も、ご来店くださった皆さんもありがとうございました。
次回の第二歩の開催は8/25(金)の「宮城県 萩の鶴」です。
こちらもお楽しみに~。
酒と鮓 梅軒
お盆休みなど8月のお知らせ
たいして東京は雨が降らないうちに梅雨明けしちゃいましたね。かわって九州や秋田などの大雨でいろんな影響が出てます。被災地の方々、くれぐれもご注意ください。
来月8月の営業のお知らせです。
8/3(木) 夜は「日本全国食べ歩かない 第一歩 高知県酔鯨」のイベントにつき貸切です。
8/13(日)~8/16(水)まで河岸盆休みにつき営業はお休みします。
8/17(木)の夜より通常営業いたします。
8/25(金) こちらも「日本全国食べ歩かない 第二歩 宮城県萩の鶴」のイベントにつき夜は貸切営業です。
8/29(火) 沖縄出張につきお休みいたします。
水曜定休に変更はありません。
おかげ様で「日本全国食べ歩かない」の第一歩、第二歩と満員御礼になりました。
ありがとうございます。第三歩目は9/9(土)の予定です。こちらはまた追って詳細UPいたします。
それではみなさん、暑さで体調崩さないようにこの夏も頑張りましょう。
酒と鮓 梅軒