「日本全国食べ歩かない」第11歩「長野県 明鏡止水」 其の弐
割鮮 馬刺 新玉葱 貝割大根 卸生姜
其の壱でもふれましたが、長野県は熊本県と並んで馬肉をよく食べます。僕の勝手なイメージですが、熊本の馬刺は霜降り肉で、長野の馬刺は赤身をよく食べるイメージでして。なので今回は柔らかいロースの赤身を用意しました。噛むほどに味の出る赤身はクセもなく美味しいです。
長野県北部の郷土料理の「おやき」。長野でもメジャーな郷土料理のひとつです。おやきの生地は固い方が良いとされているそうです。元々おやきはお盆のときのお供え物だったそうで、彼岸から此岸へご先祖が戻ってくるときに、あの世とこの世の境にある岩の扉をおやきで叩いて壊すのだと考えられているからだそうです。
煮物 鯉こく(佐久市)
大澤酒造さんのある佐久は鯉の養殖でも有名です。海のない長野県にとっては昔から鯉は貴重なたんぱく源でした。旨煮や洗いなどいろんな料理がありますが、今回は定番の鯉こくを。昔ながらの料理法でウロコ付きの内臓入りのブツ切で煮ます。鯉のウロコは柔らかいので煮たら食べれますが、馴染めない方も少なくはないですね。そして特に美味しいのが内臓です。ぷりぷりとした食感の胃袋や、心臓、肝などいろんな味わいがあってよいです。
飯物 おしぼりうどん(坂城町) 洗葱 鰹節 辛味大根汁 信州味噌
おしぼりうどんとは辛味大根のしぼり汁に信州味噌を溶いたつけ汁に冷たいうどんをつけて食べる坂城町の郷土料理です。卸した辛味大根を絞るから「おしぼりうどん」。長野は辛味大根の産地としても有名で、数種類の良質な辛味大根が採れます。辛味のきいた汁に信州味噌を溶いただけですが、辛いの好きにはたまりません。薬味は鰹節や洗葱が定番です。
菓子 諏訪湖豆
諏訪地方に昔からある素朴なお菓子「諏訪湖豆」。煎り大豆に砂糖をコーティングしたシンプルな味。
雛あられの中にあるあの豆の味によく似ていて、ほんのりとした甘みについつい手がでてしまう感じです。パッケージもいいですね。
お忙しいところ真社長ありがとうございました。
途中から真社長もみんなと一緒に呑みながらの会で非常に楽しく、長野のお土産までお客さまに持ってきていただいて大盛り上がりの会になりました。
次回の12回目の「日本全国食べ歩かない」は7/20(金)19:00より「高知県 土佐しらぎく」です。「食べ歩かない」では2度目の高知県ですが、夏が旬の食材が多い高知県。そして昨年日本酒界一番の品評会「酒コンペティション」で日本一に輝いた「土佐しらぎく」。まだ若干お席に空きがありますので、ご興味ある方は是非お電話ください。
そして8月9月の「食べ歩かない」は熊本・福井・新潟を予定しています。
酒と鮓 梅軒
「日本全国食べ歩かない」第11歩「長野県 明鏡止水」 其の壱
酒パーの準備でバタバタしてて、すっかり報告が遅くなっていまいましたが、先月に「食べ歩かない」の第11歩目の「長野県 明鏡止水」の会を行いました。
明鏡止水を醸す大澤酒造さんは中山道の宿場町・茂田井宿だったところにある300年以上の歴史のある蔵元さんです。
今回のラインナップ、純米大吟・勢起、特選純吟、純吟・垂氷、純米・夏の4種類。
名前の通り透明感のある飽きのこない綺麗な味わいのお酒です。
仕込み水も持ってきていただきました。明鏡止水を醸すのに使われる水は蓼科の伏流水。軟水の柔らかい口当たりの旨味のある水です。
今回は大澤酒造の大澤真社長に来ていただきました。真さんとはもう20年くらいのお付き合いになります。
造りや長野の話など楽しくしていただきました。
先付 いなご甘露煮
最初からトリッキーな料理ですが、こういう機会じゃないと中々口にする機会もないかと思いご用意してみました。評判はなかなか上々(笑)見た目のグロさと違ってカリカリとした食感が小エビのようで美味しいです。今回のものは小さめなので特に食べやすいです。大きいものは足を取らないと口に残ってしまいますので。
前菜 おたぐり
長野県飯田市では昔から馬肉をよく食べていました。肉と言えば馬肉だったそうです。
おたぐりは馬のモツ煮のことです。馬のモツは長いので掃除するときに「たぐって」掃除したそうで、そこからこの名がついたそうです。
地域によって塩味と味噌味とあるそうですが、今回は飯田市の塩味で。
牛とは違った独特の香りがありますが、非常に美味しいモツです。
吸物 やたら冷し茶漬 胡瓜 水茄子 青唐辛子 大葉 茗荷 沢庵 新生姜
飯綱町の郷土料理の「やたら」。やたら美味いとか、やたら何でも入れるからとかだそうです。特に決まった材料はなく夏野菜に沢庵やら味噌漬け野菜やらを刻んで、ご飯の上にのせて食べます。今回はそれを冷し茶漬風に。食欲のない暑い夏場でもサラサラと食べれるのがイイですね。
【第7回うちな~の酒パー】おかげ様で終了しました
今回で7回目となる毎年恒例の「うちな~の酒パー」が先日24日に今年もかりゆしアーバンリゾートナハにて開催されました。
僕が沖縄にいた頃にはじめた会で、東京に戻っても年一で開催しています。
ちなみに「うちな~=沖縄」、「酒パー=酒パーリー」の略です。
今年の参加蔵元さんは【山本・墨廼江・伯楽星・萩の鶴・宮寒梅・山形正宗・山城屋・羽根屋・浅間山・尾瀬の雪どけ・来福・紀土・黒龍・松の司・七本槍・みむろ杉・播州一献・富久長・宝剣・美和桜・賀茂金秀・天寶一・文佳人・安芸虎・酔鯨・土佐しらぎく・石鎚・三好・三井の寿・横山五十・ちんぐ・花の香・兼八・宝山・請福】の35蔵!
皆さんお忙しい中のご参加ありがとうございました!
ここ数年沖縄でも日本酒専門の居酒屋さんも増え、日本酒の勢いもスゴイことになっています。この勢いにのってさらに県内でブームになってくれるとありがたいです。
お客様も200名以上ご来場くださいまして、本当にありがとうございました。
会も無事終わり、蔵元・スタッフなど含めて総勢60名の大宴会!
毎度お世話になっているゴールデンスワロー。日本酒もガッツリ持ち込ませていただいて、ありがとうございました。
会の翌日は蔵元さんたちと草野球。
炎天下の中、若干1名の負傷者でましたが(笑)
青空の元、大汗かきましたが久しぶりに運動すると気持ちイイですね~。
その日の午後からは沖縄らしくビーパー(ビーチパーリー)を。
晴天でスタートしましたが、途中すごいスコールが降りまして…。
ま、沖縄らしさは味わっていただけたかと(笑)
今年もたくさんの蔵元さん、お客さんに参加いただきました。
そして現地スタッフとしていろいろやってくれた酒月&小やじの皆さん、そして沖縄のスタッフの皆さん本当にありがとうございました。
また来年も開催できるように頑張ります。
酒と鮓 梅軒
「第7回うちな~の酒パー」とお休みのお知らせ
あと10日ほどになりました「第7回うちな~の酒パー」です。
6/24(日)13:00から沖縄那覇の泊にあるホテル「かりゆしアーバンリゾートナハ」の6階王朝の間に当日来て受付していただければ、どなたでも参加できます。
沖縄では一番大きな酒の会になります。是非、ご興味ある方は飲み仲間を誘ってご参加くださいませ~。当日は呑み放題なので、酔っ払い具合は自己責任でお願いします(笑)
今回の参加蔵元に一部変更がありまして、「秋田 一白水成」さんが急遽来られなくなってしまいましたが、代わりに「群馬 尾瀬の雪どけ」さんが参加していただけることになりました。
この会の開催にともない、6/23(土)~6/28(木)まで梅軒はお休みさせていただきます。ご理解のほどよろしくお願いいたします。
6/29(金)のランチより通常営業いたします。
酒と鮓 梅軒
ランチの営業日の変更です
しばらくの間、月曜・木曜はランチお休みいたします。
ランチの営業時間は
金・土・日(祝)・火 11:30~13:30頃L.O.
よろしくお願いいたします。
写真はランチのばらちらしセット¥1500です。
酒と鮓 梅軒
本日、夜お休みします
6/3(日)、本日夜の営業お休みします。
すいません、体調崩しました。
明日から復帰できるように頑張ります。
「日本全国食べ歩かない」第10歩「滋賀県 松の司」其の弐
焼物 本諸子塩焼 泥酢 飯酢
こちらも元々は琵琶湖の固有種ホンモロコです。今ではいろんな地域で養殖が行われています。コイ科の魚では一番美味しいと言われる体長10㎝程度の小さな魚です。今では琵琶湖での漁獲量もめっきり減ってしまい高級魚の仲間入りです。護岸工事やら外来種やらが増えたりで、かなり少なくなってしまいました。テレ東あたりが琵琶湖の水を抜けば、また増えるかも知れませんが。
食べ方は塩焼が美味しいですね。今回は塩焼そのままでも良し、泥酢(酢味噌)につけて食べるも良し。さらには飯酢(鮒鮓のご飯を潰して酒でのばしたもの)でサッパリと食べるも良しと、味を変えてお出ししました。少しほろ苦い味の中にある滋味深い味わいが素朴な淡水魚らしい良さがあります。今はかなり時期から外れてしまっていますが、冬場の子持ちのホンモロコの塩焼はかなり美味です。
煮物 小鮎山椒煮
琵琶湖産の鮎は大きくなりません。大体10㎝くらいで成長が止まります。いろんな要因がありますが、エサ不足とよく言われています。
ですが、この小さい鮎を山椒をたっぷりときかせて甘辛く炊いた佃煮は滋賀のどの地域でも食べられる味です。この他に琵琶湖で獲れた川海老やゴリ、モロコの小さいものなども佃煮にします。
飯物 瀬田蜆御飯 もみ海苔
現在国内には数種類のシジミがいますが、全国に出回っているシジミの9割がヤマトシジミという品種です。このセタシジミは琵琶湖固有種で関東にはほぼ出回りません。今回は滋賀からお取り寄せしました。ヤマトシジミと比べるとやや旨味が少ないですが、その分苦みや臭みもないのでクセがなく食べやすいシジミです。
たっぷりと量を使いシジミの出汁をとり、それでご飯を炊き、向いたシジミの身を後から混ぜ込みました。しっかりとご飯にシジミの風味がついていて酒が呑めるほどのご飯です。
留椀 打ち豆汁 里芋 薄揚 白葱
こちらも定番のお味噌汁、打ち豆汁です。打ち豆とは戻した大豆を木槌で一粒づつ叩いて潰し乾燥させたもの。長期保存もでき、丸のままの大豆よりも火の通りが早いので料理に時間がかからないのがいいです。
味噌汁の中にはこの打ち豆と一緒に小芋と白葱、薄揚げが入ります。
香物 赤こんにゃく漬
近江八幡の名物赤こんにゃくの漬物です。赤こんにゃくは三二酸化鉄という着色料を使って赤く染めています。ちゃんとした食品添加物なので口にしてももちろん大丈夫なヤツです。なぜ赤いかと言うとその昔、派手好きの信長のために赤く染めたとか。
通常のこんにゃくよりもシコシコした歯ごたえがあるのが特徴です。
今回は松の司の松瀬社長においで頂きました。
酒造りのこだわりや滋賀の食材の歴史についてもいろいろお話いただきました。さらには皆さんと二次会までご一緒していただき、楽しい話と長い時間お付き合いありがとうございました。
普段この「食べ歩かない」の会ではマッチングなどはあまり気にせずにやっていますが、今回の鮒鮓と松の司産土との相性は抜群でした。酒も料理もいきるこれぞマッチングという組み合わせでしたな。
さて、次回の「日本全国食べ歩かない」第11歩は6/16(土)「長野県 明鏡止水」です。・・・が、今回もおかげ様ですでに満員になりました。ご予約頂いた皆さまありがとうございます。次回の第12歩目もご期待ください。
酒と鮓 梅軒