鰯(イワシ)
ご存知、鰯(イワシ)です。一口に鰯といってもマイワシ・ウルメイワシ・カタクチイワシの3種類がいます。よく刺身などで食べるのは上の写真のマイワシ。ウルメイワシやカタクチイワシは丸干しや煮干しなどに使われることが多いです。しらすは鰯の稚魚のことでほとんどがカタクチイワシとマイワシの稚魚です。入梅いわしとも言われ6月頃から初冬あたりまで美味しいです。近年不漁でものすごい高値の時期もありましたが、今年は当たり年ですね。バリバリの脂のノリで、トロのようなくちどけです。
(↑魚別、骨の入り方)
非常に小骨の多い魚です。上の図のように真ん中の血合骨の上下にも骨が入っています。鮭やサーモンも2列の骨がありますがやや太いので取りやすいのですが、イワシやニシンの骨は3列あり、しかも細くてYの字型をしていたりして骨が抜きにくい(身が崩れやすい)魚のひとつです。逆に白身の魚(鯛や鮃など)は身の途中までしか血合骨がありません。この骨の数の違いは身の柔らかさなどに関係しているのだと思います。身のしっかりとしているフグなどは血合骨がありません。
昔から庶民に親しまれてきたイワシは、いろんな諺や風習などにも絡んでいます。
鯛の尾よりも鰯の頭→大きい団体で人の後に従うよりは、小さな団体でもそのかしらとなるほうがよいということ
などや、節分の日には鰯の頭と柊の葉を玄関に飾るのは、鬼が鰯の臭いが嫌いで柊の葉はチクチクして痛いから家に入ってこないという風習があり、そのことから
鰯の頭も信心から→つまらないものでも、信仰の対象となれば有り難いと思われるようになる
という諺になったそうです。
日本に限らず世界中でもオイルサーディンやアンチョビなどイワシ料理は盛んです。
今年のイワシはホントに脂がのってて美味しいので、シンプルに塩焼にしても晩のおかずに最高ですよ。
酒と鮓 梅軒