コハダ(小鰭)
鮓の光物といえばやはり「コハダ(小鰭)」でしょう。僕も大好きなネタのひとつです。
実はこのコハダ、出世魚(大きさで呼び名が変わる魚)なんです。
新子(シンコ・赤ちゃん)→小鰭(コハダ・小)→ナカズミ(中)→鮗(コノシロ・大)です。ナカズミって言い方はあまり使いませんが、その他は河岸でもよく呼ばれています。コノシロのサイズになると大きいものは20㎝以上になります。
旬は夏の産卵が終わった秋~冬ですが、基本1年中出回っています。
特に鮓で珍重されるのが、生まれてすぐの数センチサイズのシンコです。河岸でも毎年初値は高騰しています。たしか今年の初値は1キロ10万円くらいだったと思います。どんなに安くても初値で5万を切ることはそうはないですね。ただ数週間もすればすぐに値は落ち着いてキロ数千円にはなりますが。
代表的な食べ方はやはり鮓ですが、その他にも「粟漬け(酢〆したコノシロに粟をまぶしたもの)」や酢の物なんかもあります。小骨が多い魚なので、あまり焼いたり煮たりはしません(天草地方では味醂干しにするそうですが食べたことはないです)。
昔の人はコハダを焼くと「人を焼いた臭いがする」といって嫌ったそうですが、焼いてみたことありますがそんなことはないですよ(笑)
ともあれ、これからがコハダの美味しい季節です。
酒と鮓 梅軒